どこの事業所でも受け入れた人材には長く働いて貰いたいと思う筈です。それはコストパフォーマンスのみならず、同僚として、良きパートナーとして、安心して・安定して働ければ、将来人材は家族をその地に呼び寄せ人生をそこで過ごせれば、この招聘は成功したと言えるのではないでしょうか。
 
そしてそれは果たして東京のような大都市よりも人情や自然豊かな子供の育成環境に適した場所でと思う人の方が多いのではないでしょうか。
■母国と違う労働(基準)法
人材が日本に来て就労を開始した時、一番の楽しみは給料という事になるでしょう。しかし彼らにはその明細が理解できない事が多く、何がどう引かれたか知りたいと思っている人材は少なくありません。出来る限り良い雇用条件で就労したいという気持ちは、給料、住居環境、残業の有無の順番で彼らの就職優先順位に影響します。
そしてJICAOに来る転職の問い合わせの一番の理由がこれです。
つまり、面接前のオリエンテーションや雇用契約時にこの説明がきちんとなされ、理解の確認がないと後でこういった問題を躍起してしまうという事です。勿論「何でもよいからまず日本で働きたい」気持ちが大きく且つそういった事が聞けない状況にあったりするという事もあり得ますが、そこでの説明義務がなされていないと契約上は有効でも来日後に問題が起きるという事になります。これは受け入れ事業者側が意識すべき内容と思います。
 
■自分が歓迎されているという意識
外国から来日する人材は日本人の意識感覚で言う責任感・責任観が希薄である事が多くあります。この強弱は出身国や民族性にもよりますが、良い意味で言えば「求められているから尽くす。」という意識で仕事をしているという事が出来ます。
しかし日本人スタッフからすれば時に厄介な感覚で、義務に従わさせるという事で仕事をさせるという事にはならないからです。この傾向は技能実習と言う正規の就労ではないビザで良く起こります。「言う事を聞かない」「約束を守らない」「協調性がない」などの問題が起きるのです。これは技能実習と言うプログラムのそもそものあり方にも問題があり、技能実習の意味の問題にも原因が辿れます。英語ではTechnical Interen Training Programと言われ、そもそものインターンとは違って「在学中でなくても日本の技術を取得できる」ことが彼らにとって原則なので、「出来高や効率を問う前に教えて結果が出るようにする。」事が使命となる為です。この問題の解決方法は、現場日本人スタッフも含め「あなたが求められている。」という意識で心の扉を常に開放してもらい、和をもって仕事をするという雰囲気を作り出すことが重要だと考えます。
 
■誰が私の味方
受け入れ事業者にとって受け入れた人材の問題解決は技能実習生ビザによる受け入れなら監理組合、特定技能ビザなら登録支援機関、又は入国管理局で解決する事が基本ですが、来日した人材が直接就労や生活に関して自身の問題を相談できるのも監理組合や登録支援機関です。そうなるとこれら斡旋事業者はどちらの味方で問題解決を行うかとなると、基本的に契約行為を行った相手である受け入れ事業者という事になるでしょう。人材は自分の出身国政府である大使館という事になります。また公的機関として就労に関しては労働基準局も該当します。
さてここで言う人材の持つ問題とはどういう事なのかですが、例えば疾病、妊娠問題、個人的な経済問題(実家で急に金が必要になった)、同僚とのいさかい、職場での気まずさ、更には辞めたい、転職・転籍なども気軽に相談できない部類でしょう。そして彼らが恐れるのは、知られることで「自分が不利となる」、「嫌われる」、「帰される」事です。
その為、受け入れ事業者では職場で何でも相談できる「おかあさん」のような人の存在、日本側で受け入れ事業者との利益関係がない支援組織、や頼れる人物の存在が重要となります。
現地で育成を行ってきたJICAOでは、来日した育成人材の個人的な情報・お国柄も含め、日本で支援する団体以上の知識と経験、そして信頼関係を持っているので、この様な問題解決や予兆に対し豊富な経験と解決方法で対応し信頼されています。
 
■特に地方の受け入れ事業者の場合
特に特定技能(就労)ビザの場合、人材は都市部での就労を好みます。まず給与面、帰国へのアクセス良条件、仲間が多くいるところ、などが主たる理由でこれは日本人就労者の傾向にも重なります。それ故どうしても3年間転籍が出来ない「技能実習生ビザ」による招聘で労働者不足を補う傾向となっています。一方介護は基本的に特定技能2号に一番現実的な職種であり、その為の環境が揃っている事は人材の転籍に歯止めをかける有効な手段となるでしょう。
更に、給与面での事柄として、沿岸部や田園部に所在する受け入れ事業者の場合、地産の食材などで食費を押さえてあげて手に残るお金を保全したり、地域イベントや職場や職場以外日本人のコミュニティー参加で出会いの機会を増やしたりして意識が第二の故郷化になる事で都市部などでの移動を抑制する事ができます。増して特定技能2号(実質介護福祉士資格取得)により、子供やフィリピンの家族の呼び寄せ、日本人との結婚など故郷意識が強くなれば在留就労は自然と長くなってきます。JICAOではそういったケースに貢献し、呼び寄せた家族も介護施設で働きだしたケースを経験しているのです。
 
■日本語習得支援、国家資格取得支援
以上の環境整備として、JICAOはより率先して来日した介護職人材の日本語取得に協力して頂ければその道のりはより近くなるでしょう。現在日本政府は在留外国人主労者に対し、日本語取得の助成を行っています。これは受け入れた事業者の負担軽減と共に、国家資格取得者をより多く介護の現場に揃えておきたい気持ちがあるからです。
しかしこの費用は現状実質コストを満たすものではなく、どうしても目的達成のためには持ち出しが止む終えない状況です。そこでJICAOでは既に運営している人材母国の日本語学校、日本国内のオンライン日本語クラス事業者と共同で日本語能力検定試験N3,N2を取得させるプログラムを開始し、より低いコストで日本語教育を実行するプログラムを始めました。このプログラムは日本語を習得させるだけではなく、介護福祉士資格国家試験対策も視野に入れており、昨年度においても合格者を輩出しております。

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