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人材と面接して着任するまでの行程はビザによって変わってきます。大きく分ければ人材の母国から招聘するケースと国内にいる人材を雇用する場合に分けられますが、ビザの種類が違う場合日本の政府の立場は一度帰国する事となっています。
一方、継続就労といってもビザ発行の為の在留資格変更などでも2−3ヶ月掛かるのでこの期間は日本にいることが出来ても就労できない事もあるので、直ぐに契約して就労できると言う日本人の感覚とは違いがあります。
ビザの種類は大きく分けて@研修・インターンビザ、A就労ビザ、B特定活動ビザに分けられ申請書類、提出書類が違っていたりするのでその都度確認が必要でしょう。 |
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■1.招聘決定:情報収集と受け入れ情報の理解 |
殆どの介護施設の場合、外国人招聘を行う斡旋事業者によるプロモーションで人材の招聘を決めるケースが多いですが、基本的情報はきちんと踏まえておくことをお勧めします。とは言え通常の業務とは違う事を職員の方が認識しなくてはならないので煩雑さがどうしても伴う事となりますが、これも外国人を雇用する一つの責任として認識して頂かなくてはなりません。特に技能実習生の場合、日本側の斡旋事業者に受け入れ委託が出来て便利に思えますが、知らず違反を犯して入管の監査で露呈し、ペナルティーを追う事もあります。最近のベトナムのケースがその顕著な例と言えるでしょう。
JICAOではお客様の事業所に訪問し、オリエンテーションを行う事で問題解決のパートナーとなります。
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■2.送り出し機関との契約 |
そもそもの招聘は不足している人材を海外から呼び寄せる事にあります。その為どんな人材が雇用できるかは大きな焦点となるでしょう。
人材を招聘するにあたり、人材母国の送り出し機関と契約し、雇用する人材の候補が集められますが、その間約一週間ほどです。ビザ要件にあった人材ですが、その前に候補となる人材と概ねコミュニケーションが育成に携わって確定していれば安心して次のビザの行程に移ることが出来ます。また募集・紹介料は必要無くなります。
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■3.人材政府への受け入れ事業者登録(フィリピン人招聘に限る) |
フィリピン人材の受け入れに関し、フィリピン政府はフィリピン在日大使館への受け入れ事業者登録を義務付けています。この手続きは人材送り出し国には珍しいのですが、人材海外就労の歴史の深いフィリピンならではの対応処置で自国民の安全性、在留所在地の記録、シンジケートととの関り回避、ブローカ根絶が目的とされています。
またフィリピンで締結される雇用契約では死亡などの事故による送り返しの費用保険など含まれていて、この期間は1~3年とされます。日本就労においてもこの期間が守られるよう指示されています。
しかし、この手続きは人材の処遇に関する項目もあり、申請課程で修正を求められたりしてその煩雑さゆえにフィリピン人材の招聘を避ける傾向もありますが、他の国が日本の就職転職の自由にて1年またはそれ以下で辞職する恐れを考えるとあながちこの面倒もリスクとは言えないかもしれません。またこの制度は日本側の斡旋事業者にあまり営利をもたらさない事で登録支援機関などの斡旋事業者が推薦しないというデメリットが発生しているのは残念な事です。
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■4.人材と雇用契約を結ぶ |
面接後は人材母国で以前は行われていましたが、コロナ禍の都合でオンラインによる面接も可能となり、渡航リスクが軽減されています。そして人材と契約書を交わし、日本側では要件となる書類と共に在留資格申請を行い、人材側では出国許可の申請を行います。在留資格が承認される期間は2-3ヶ月が目安となります。
そして在留資格申請が日本の入国管理局に受理された時点で、受け入れ事業者は人材の住居を探し始めます。
ところで困ったことに人材側はこの雇用契約締結で金融機関から大金を借りることが出来るようになります。それ故ブローカーなどが従来のスキームとは別のところでが起きており、一部の送り出し機関はそこからインセンティブを得ているケースもあります。
JICAOではこの点も人材や受け入れ事業者としてリスクがあるので、人材の面接時に無借金を確認しこれを条件に雇用契約を結ぶよう勧めています。どんな受け入れ事業者でも来日後の人材が借金取り立てされ、精神的・肉体的なトラブルに巻き込まれる事を良しとしないはずですから。
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■5.出国と来日、着任 |
日本で申請した在留許可申請許可が人材母国の日本大使館にて発効され、それに伴って人材はビザの申請を日本政府(日本大使館)で行います。待期期間は約1週間で、同時に出国許可を自国の入国管理局に申請します。この時点で日本に向けたフライト予約が行えます。
また出国前には、各ビザに関するガイダンスを送り出し機関は人材は受けて、出国する事となります。
これとは別に日本に在留する人材がそのまま在留資格変更を行えるケースもあります。EPA(経済連携協定人材招聘プログラム)がそれで、その場合でも申請だけは人材自身の身分保障として必要になります。 |
■留意事項 |
特定技能ビザは日本で申請できるビザです。つまり技能実習生ビザ、留学ビザ、EPAビザ、そして短期在留ビザで来日した外国人でも要件を満たす限り、申請が出来るのです(通常の旅行ビザでは申請期間が足りないので不可能)。
今後外国人招致が現政権で奨励されれば人材母国の送り出し機関なしで、外国人就労者が沢山日本に来るかもしれません。その中には好ましくない人材も含まれるでしょう。特に介護など人とのコミュニケーションにサービスの重点を置く事業者においては日本政府の認める育成プログラムを経た人材の雇用をお勧めします。 |